こんにちは。
今回のテーマは「無駄」です。
みなさんは「無駄」と聞いて何を考えますか?
なーんか・・・役に立たないものとか・・・使えないものとか・・・。
どこかネガティブな響きがありますよね。
少なくとも「無駄」という言葉を聞いてプラスに考えることは少ないかもしれません。
でも私はあえて言います・・・「無駄」の中にこそ大切な「本質」が隠れていると!
なぜか・・・?
詳しくは記事中で!
「無駄」の中に隠れている「本質」について解き明かしていきます。
面白いですよ。
今回の記事で分かること
- 無駄の意味
- 効率化で失われるもの
- 無駄の中にある本質
- 無駄の必要性
無駄とは
無駄とはいったい何か・・・?
いつものように、まずは辞書を引いてみます。
無駄
大辞泉
役に立たないこと。それをしただけの甲斐がないこと。無益。
辞書にはこう書いてあります。
こうしてみると、やはり無駄ってプラスのものじゃない・・・どう読んでもそんな感じです。
役に立たず無益・・・要は利益がないってこと・・・1円にもならない。
じゃー具体的にどんなものか考えてみます。
- 通勤時間
- 待ち時間
- 暇つぶし
- 書類
- 印鑑
- 会議
こんなところでしょうか・・・?
こんなものもあります。
- 習慣
- 人間関係
- プライド
- 人付き合い
- 心配事
- 迷い
どうでしょう・・・?
中には微妙なものもあるかもしれません・・・特に下の囲みのものは「悪い」や「歪んだ」なんて前提が付きそうですね。
とりあえずここでは無駄にしておきましょう。
やっぱり無駄はない方がいい・・・不必要・・・無駄なんていらない・・・そう思います。
でも本当にそうなのか・・・?
知らないうちに無駄として扱われてしまっているものだってあるんじゃないか・・・?
それってどんな無駄・・・?
それは効率化の中で失われてしまったもの・・・。
私たちが効率化の名のもとに失ってしまった大切なもの・・・そう言っても過言ではないと思います。
次項で詳しく見ていきます。
何かを捨てることで気づくことだってあります。この記事に詳しく書いています。
効率化とは
効率化と無駄
私は「効率化」の中で失われてしまったものがあると思っています。
その失われてしまったものの多くは・・・いわゆる「無駄」と言われているものです。
日本は労働生産性が低いと良く言われます。
だから無駄はできるだけ省く・・・。
そのためには「効率化」が必要だと・・・。
なんの異論もありません・・・その通りです。
でも省かれていった「無駄」を検証する必要はある・・・私はそう思います。
なぜか・・・?
その無駄の中に私たちにとって大切な「本質」が隠れていると思うからです。
ただそこについては次項に譲ります。
ここでは「効率化と無駄」について掘り下げます。
まずは効率化とはいったい何か・・・また辞書を引いてみます。
効率
大辞泉
使った労力に対する得られた成果の割合
だから「効率化」とは「使った労力に対する成果が得られる割合を高めること」ですね。
効率の反対は非効率でしょう。
非効率の代表は・・・そう「無駄」ですよね。
だから無駄は省かれるわけです。
私たちの生活は便利になりました・・・仕事もテクノロジーのおかげで効率的になりました。
効率化への道は緩みません・・・労働生産性を高める動きは止まらない。
無駄はもっともっと省かれ排除されていくでしょう。
もちろんいい面は多い。
でも物事には必ず二面性がある「光があれば影がある」「何かを得れば何かを失う」自然の摂理・・・効率化や無駄だって同じです。
効率化の名のもとで失ったものが必ずある・・・無駄の中に大切なものがあるのではないか?
ここは検証する必要がある・・・絶対に。
次項で見ていきます。
効率化で失われるもの
私たちは気づかないうちに多くのものを失っている・・・そう思っています。
特に効率化という流れの中で知らず知らずのうちに失っているものがあるはずです。
そう・・・便利の代償ですね。
この項ではそこを見ていきます。
ズバリ列記します。
- 妙味
- 自分らしさ
- つながり
この3つです。
もっとあるかもしれません・・・でも私が気になるこの3つについて書かせてもらいます。
妙味
妙味(みょうみ)とは「物事に独特の趣(オモムキ)が感じられるさま」のことです。
具体的にはこんなことを言います。
- 味わい
- 趣
- 醍醐味
- うまみ
- 面白味
- 深み
- コク
- 情緒
- 風情
どうですか・・・?
「日本人的」な部分です・・・「もののあわれ」・・・また、いい意味で情緒的な部分です。
これって効率化の中には全く必要ない・・・いわゆる無駄な部分ですよね。
労力に対する成果の割合には全く関係がない・・・むしろ邪魔。
こんなこといちいち仕事で感じてたら生産性は上がらない=非効率ってことになります。
「妙味」・・・効率化で失われていると私は感じています。
自分らしさ
「自分らしさ」も効率化の中で失われてますね。
効率化の中では「自分らしさ」も邪魔です・・・なぜって「属人的」になる恐れがあるからです。
属人的なんてものは効率化の対極にあるものだと私は思います。
「その人しかできない」「変えが効かない」・・・これって非効率です・・・無駄です。
要は誰でもできた方がいい・・・効率化の中では能力は共有するものです。
実際にそういった動きは色んな部分で進んでいますよね・・・AIの導入がその最たるものでしょう。
そこで失われるのは「自分らしさ」といった「個性」です。
効率化のもとでは「自分らしさ」なんていらない・・・。
残念ながら「自分らしさ」も効率化のもとでは無駄なんですね。
つながり
「つながり」も効率化のもとでは無用のものです。
在宅勤務やリモートワークといったテレワークは通勤時間という無駄をなくしました。
会議もオンライン会議に置き換わり会議室に行く必要もなくなりました。
稟議書も契約書も名刺も・・・電子署名が進めば印鑑さえいらなくなり、多くの紙ベースの書類はなくなるでしょう。
押印するだけの上司も無駄・・・当然いらなくなりますよね。
ここで失われるもの・・・。
そう・・・「つながり」です。
人と人とのつながり。
直接会う必要がなくなるんだから・・・リアルに「つながる」必要はない。
効率化のもとでは「つながり」も無駄として扱われてしまいます。
人と人とのつながりにコミュニケーションは必要不可欠!コミュニケーションについてはこの記事に詳しく書いています。
無駄の大切さ
無駄の中にある本質
前項で効率化により失われるものを見てきました。
どうですか・・・?
- 妙味
- 自分らしさ
- つながり
この3つを失ったら・・・。
ハッキリ言います・・・面白くない!
生きていく上で・・・そう・・・全然面白くないですよね!
なぜか・・・?
答えは簡単です。
無駄として失ったものの中に人にとって大切な「本質」があるからです。
私たちが生きていく上でどうしても必要不可欠な「本質」が隠れているからなのです。
例えば「自動運転」。
運転する必要はなくなる、ドライバーも楽ができる、事故も減り効率的でしょう。
でも運転する「面白味」だとか、車を動かす「醍醐味」なんてものは味わえなくなります。
例えば音楽の「ストリーミング」。
聴きたい音楽がすぐに聴けて便利、音だって悪くない、好きな曲だけを聴けて効率的。
でも、その対極にある「レコード」が持つジャケットの「味わい」とか、盤に針を落とすときの「趣」とか、レコードを所有する「喜び」なんて味わえません。
まして「自分らしさ」や「つながり」なんていうのは人が生きていく上で絶対に手放したくない大切なものです。
効率化の中で仕事の各業務は細分化されていきます。
細分化された業務にはテクノロジーが導入され「属人的」な部分は排除されていきます。
経験値や経験則は数値化されテクノロジーを使いこなすことが「能力」となっていく・・・そこには「自分らしさ」など一切不要なのです。
「あの人から買いたい」「この人にお願いしたい」・・・そんな「自分らしさ」を発揮する場面は消えていきます。
テレワークにも多くのメリットがあります。
でもそこで失われているものも当然あるのです。
人と人とが顔を合わせる、膝を突き合わせる・・・そんな直接的・リアルな「つながり」は失われていく・・・。
このままでは「妙味」「自分らしさ」「つながり」の喪失は止まらない・・・。
考えて下さい・・・「妙味」「自分らしさ」「つながり」というものは、私たちの人生を充実させ豊かにする本質的なものと思いませんか?
それが無駄と言われるものの中に隠れている・・・そして失われているのです。
私たちは効率化の中で大切な本質を失っている・・・大きな損失であると私は思います。
無駄って実は大切なのです。
効率化との折り合い
効率化の中で失われていく無駄・・・そして本質。
日本は少子高齢化が止まりません。
今後も効率化の流れは進むでしょう。
効率化を否定するつもりはありません・・・むしろどんどん進めるべきだと私は思っています。
でもそこで「失われているもの」がある・・・。
しかもそこで「失われているもの」というのは私たち日本人が精神的な拠り所としている部分ではないか・・・?
「妙味」「自分らしさ」「つながり」・・・この3つは決して小さくない日本人のアイデンティティだと私は思っています。
じゃーどうすればいいのか・・・?
簡単です!
そこで「失われているもの」があるという認識を持つのです・・・そう・・・「失われているもの」を認識する。
置かれた環境や立場も違う私たち。
だから、それぞれがそれぞれの置かれた立場や環境の中で無駄を意識し「失われているもの」への認識を持つ。
そして、それぞれがそれぞれの環境や立場で効率化との「折り合い」をつけていく。
「折り合い」のつけ方はそれぞれでしょう。
ある人はリアルに触れること、話すこと、感じることを部分的に取り入れていくかもしれない。
またある人は自然の中に身を置いてリフレッシュするかもしれない。
そしてある人は不便をあえて楽しむ・・・なんてことを実践するかもしれない。
実際そんな人たちが増えてますよね!
アナログレコードが売れてるそうです・・・これって原点回帰ですよね・・・デジタルの対極。
「味わい」や「趣」「喜び」と言った「妙味」を求めてのことでしょう。
ソロキャンプがブームだそうです・・・キャンプなんて不便を楽しむ最たるものです・・・自分を見直す機会にもなります。
「自分らしさ」の追求ですね。
在宅勤務の中で雑談の場を作る企業もあるそうです・・・リアルなつながりに対する必要性の見直しでしょう。
企業によっては「雑談」をキーワードに勤務体系やオフィスそのものを作り変える企業も出てきています。
やはり失われた「つながり」を取り戻すための動き・・・しかも「効率化」や「3密」を頭に置いた上で・・・。
こういった流れは効率化と「折り合い」をつけているのです。
私たちは効率化の流れに逆らうことはできません。
これからも効率化は進んでいくでしょう。
だからこそ無駄を意識し「失われているもの」に対する認識を持ち、効率化と「折り合いを」つける術を持つ。
これからの時代を生きていくための重要なキーワードだと私は思います。
個人・・・そして組織も・・・。
大切なのは「ありたい自分」…折り合いをつけながら「ありたい自分」を目指す。「ありたい自分」についてはコチラの記事をどうぞ。
「note」にも記事を書いています。良かったらぜひ!
最後に
今回は「無駄」について見てきました。
見てきたように効率化の中で失われている大切なものがあります。
それは無駄の中に隠されています。
そしてその無駄の中に隠されているものは私たち日本人にとって大切な本質であることも分かりました。
私はあえて言います・・・「無駄は必要」です!
ただこれからも無駄は排除されていくでしょう。
それでもイイんです・・・無駄に対する認識さえあれば。
そしてその認識をもとに効率化に「折り合い」をつけていきましょう。
そうすることで人生がより充実し豊かになっていくと私は思っています。
みなさんも無駄を意識し、失われているものを認識し効率化に対して「折り合い」をつけていって下さい。
きっと今までと違った自分が見えてくるのではないか・・・そう思います。
最後まで目を通してもらいありがとうございます。
また次回お会いできることを楽しみにしています。
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