【想定外への対応】想定外をチャンスに変える思考法「不確実でVUCAな時代の生き方」

意識改革

こんにちは。

今回は不確実な時代に起こりうる想定外の出来事について考えてみたいと思います。

ニューノーマル=新常態が叫ばれて久しくなりました。

私たちの生き方も大きな変化を迫られているように思います。

今回はそんな不確実でVUCAな時代の生き方、想定外の出来事をチャンス変えていく思考法を考えていきます。

今回の記事で分かること。

  • ニューノーマルでVUCA・TUNAな時代について
  • 不確実な時代の生き方のヒント
  • 想定外の出来事をチャンスにする考え方

不確実性の時代

私の記憶では「不確実性」と言われるようになったのは、ジョン・K・ガルブレイスの著書のタイトル「THE AGE OF UNCERTAINTY」が「不確実性の時代」と訳されてからだと思います。

日本でこの本が出版されたのが1978年。

以来「不確実性」という言葉は、各時代で頻繁に使われ続けています。

そして最近では、その不確実性が常態となり「ニューノーマル=新常態」な時代になりつつあります。

そんな不確実性の時代を表す言葉を見ていきたいと思います。

ニューノーマル(新常態)

「ニューノーマル:新常態」という言葉はリーマンショック以降に使われ始め、もうすっかり定着した感があります。

ニューノーマルを日本語に訳すとこうなります。

ニューノーマル( New Normal)=「新たな常態・常識」「新常態」「新しい正常」

「変化した常識が当たり前のことになってしまった状態」を意味する言葉です。

変わってしまった常態は中々元には戻らないでしょう。

と言うか、もう元には戻れませんよね。

私は「ニューノーマル」という言葉に可能性を感じています。

こんな時代になっても変わろうとしない日本の社会がいよいよ変わるんじゃないかと・・・淡い期待ですが。

ただし、社会が変わる時には大きな痛みやストレスを伴うのは事実です。

そんな変化に私たち日本人がどう対応していくのか・・・難しい部分ではあります。

とは言え、ニューノーマルな時代となり変化の波が来ていることは間違いないと思います。

VUCA

ニューノーマル時代が叫ばれだした頃「VUCA」という不確実性を表す言葉も使われ始めました。

VUCAとは何か?

  • Volatility:変動性
  • Uncertainty:不確実性
  • Complexity:複雑性
  • Ambiguity:曖昧性

この4つの言葉の頭文字を取って「VUCA」と言っています。

見ての通りですが、VUCAの時代は「分かり難い」「読み難い」・・・要は難しい時代だということですね。

昔の常識や経験がそのまま通用するかは分からない。

色んな分野で試行錯誤が試される。

そんな一筋縄ではいかない時代を象徴する言葉なのでしょう。

TUNA

VUCAと並んで不確実性を表す言葉としてもうひとつ「TUNA」という言葉があります。

TUNAも4つの頭文字を取った言葉です。

  • Turbulent :擾乱(じょうらん)
  • Uncertain:不確実
  • Novel:奇抜
  • Ambiguous:曖昧

「TUNA」もVUCAと似たようなことなんですが、より混沌としているようなイメージを受けます。

もうここまでくると常識を疑ってかかる必要が出てくる・・・。

そんな感じさえすると共に「常識を疑わないことには新しいものは生まれないのではないか」とさえ思えてきます。

ニューノーマルにしてもVUCAやTUNAにしても、言い表しているのは不確実で混沌とした新しい時代のことだと思います。

私たちはそんな時代に生きているし、そんな時代にどう生きていくかを問われているのだと思います。

不確実な時代の生き方

世界はニューノーマルになりVUCA・TUNAな時代には正解がないんだと思います。

だから難しい。

社会は多様性を深め何をどう選んでいけばいいのか判断することさえ簡単ではなくなってきています。

そんな時代にあって、2人の心理学者が提唱したキャリア理論が生きるヒントになるのではないかと私は思っています。

それぞれ詳しく見ていきます。

偶然の出来事 / クランボルツ

まずは「ジョン・D・クランボルツ」が提唱した「計画的偶発性理論」です。

この理論は「Planned Happenstance Theory:プランド・ハップンスタンス理論」とも言われています。

1999年に発表されたキャリア理論です。

このキャリア理論の要点はこうです。

計画的偶発性理論
キャリアの80%は、本人の予期しない「偶然の出来事」によって決定される。よって偶然を計画的に起こし自身のキャリアをより良く築いていこうとする理論。

ニューノーマルな世の中です。

VUCA・TUNAな時代です。

先が読めないわけです。

そんな時代にこそこの理論は生きてくると思っています。

これまでのキャリアは、キャリアプランを決めてそれに向かって経験を積みキャリアを形成していくというものでした。

でも今は激変の時代です。

それが難しくなってきているということですね。

じゃーどうするのか・・・?

それが「予期せぬ出来事」「偶然の出来事」をチャンスにつなげるということなんです。

そう「今」にもっと注目すること。

「今」偶然起きている出来事を見逃さない。

未来ばかり見ていると今起きている出来事(チャンス)を見逃してしまうということですね。

そしてその「予期せぬ出来事」「偶然の出来事」を「計画的」に作り出していこうというのが「計画的偶発性理論:プランド・ハップンスタンス理論」なのです。

ポイントは「計画的」ということです。

「偶然を計画的に起こす」というのが重要になってきます。

どうやったら偶然の出来事を計画的に起こせるのか?

クランボルツは次の5つを持って行動することが重要だと言っています。

  • 好奇心:常に新しい学びの機会を模索する
  • 持続性:失敗してもくじけずに努力を続ける
  • 楽観性:新しいチャンスは必ず訪れて必ずものにできると考える
  • 柔軟性:頑固にならず状況を受け入れて姿勢を変えていく
  • 冒険心:結果が見えなくてもリスクを取って行動する

どうですか・・・なんか勇気が出てきませんか。

私は何度もこの5つに励まされてきました。

不確実性が増す時代を生き抜くヒントだと思っています。

加えて言えばこの5つに年齢は関係ありません。

ニューノーマルな世の中にあってVUCA・TUNAが叫ばれる時代にこそ注目されるべき理論であると私は思っています。

転機 / ブリッジス

次は「ウイリアム・ブリッジス」が提唱した「トランジション理論」です。

トランジションとは「転機、過渡期、節目」のことです。

このキャリア理論の要点です。

トランジション理論
年齢にかかわらず人生には節目(転機)がある。その節目(転機)を何かの「始まり」からではなく物事の「終わり」から捉え、節目(転機)を乗り切るプロセスを【終わり ⇒ 中立圏 ⇒ 始まり】として考え対処していくという理論。

人生には色んな転機(トランジション・過渡期・節目)があります。

進学、就職、結婚、異動、転職、失業・・・環境の変化は嫌でもやってくるものです。

そんな時どうやってその転機(トランジション)を乗り越えていくのか?

その転機を乗り越えていく方法の過程(プロセス)をブリッジスは【終わり ⇒ 中立圏 ⇒ 始まり】で示したわけです。

3つを詳しく見ていきます。

  1. 終わり(何かが終わるとき)
    何かが終わるのは自分の意思のときもあればそうでないときもあります。心理的なストレスを伴いますが「終わることは新しい何かの始まり」と真摯に受け入れることが重要だと言っています。
  2. 中立圏(ニュートラル・ゾーン、空白)
    新たな状況への方向づけの時間です。何かが終わった喪失感を伴う時期でもあります。精神的にも辛い時期ですね。でもブリッジスはこの時期が必要だと言っています。そしてこの時期を乗り切るために①一人の時間を作る②今の自分を記録する③自分史を書いてみる④本当にやりたいことを考える⑤もし死んだ場合の心残りを考えてみる等々をあげています。要は大切な「モラトリアム」の時間だということです。
  3. 始まり(何かが始まる)
    あなたは中立圏(ニュートラル・ゾーン、空白)を乗り越えました。ここからは新たな始まりです。もちろん新たな始まりには今までなかったストレスや葛藤もあるでしょう。ブリッジスはそのことを理解していることが重要だと言っています。

トランジション理論が示すものは「自分自身を再定義すること」です。

3つの過程それぞれで心理的なストレスを伴いますが、そのような心理状況に置かれることを理解しておくことが重要なのです。

転機を乗り越えるプロセスでは自分の内的な抵抗にあう。

そのことを理解し自分の深い思いに耳を澄まし自身を捉え直すことが大切なのです。

ニューノーマルでVUCA・TUNAな時代には環境の変化がつきものです。

そんな時ブリックスが提唱した「トランジション理論」は私たちの心の支えになってくれるはずだと私は思っています。

想定外をチャンスにする

2人の理論家の「偶然の出来事」への対応の仕方、また「転機」の乗り越え方を見てきました。

2つの理論はそのまま想定外の出来事をチャンスにする方法です。

ニューノーマルでVUCA・TUNAな時代を生き抜く方法でもあります。

「偶然の出来事」や「転機」というのは突然起こるものです。

もし「偶然の出来事」や「転機」が起こったときは、まずは冷静になり自分を振り返ってみることが必要になります。

そのためにはクランボルツが言う「好奇心」「持続性」「楽観性」「柔軟性」「冒険心」を持って日頃から行動しておくことが重要です。

そして人生の節目や転機が起こったときには、ブリッジス唱える【終わり ⇒ 中立圏 ⇒ 始まり】のプロセスで転機を乗り越えていくのです。

それこそが「想定外をチャンスにする」ことであり、年齢にかかわらず主体的に生きていくことだと私は思います。

主体的・能動的に次のステップに進めるわけです。

ニューノーマルでVUCA・TUNAな不確実な時代にこそ、こういったキャリア理論というのが大きな力になると考えています。

今回のまとめ

今回の記事をまとめます。

  • 現代社会は不確実性が続いている時代である
  • 不確実性を表すキーワード
    • ニューノーマル
    • VUCA
    • TUNA
  • 不確実な時代を生き抜くヒント
    • 計画的偶発性理論(クランボルツ)
      好奇心・持続性・楽観性・柔軟性・冒険心を持って行動する
    • トランジション理論
      「終わり ⇒ 中立圏 ⇒ 始まり」のプロセスで転機を乗り
      越える

常に学びを深めながら変化の時代をサバイバルしていきましょう。

最後に

今回はクランボルツとブリッジスのキャリア理論を中心に、ニューノーマルでVUCA・TUNAな時代の生き抜き方を見てきました。

これからますます変化の波は大きくなっていくと私は思います。

私自身は変化は嫌いではありません。

むしろ変化を期待しています。

でも全てに対応できるなんて自惚れているわけではありません。

クランボルツが言う5つの行動指標を常に頭に置き試行錯誤しているところです。

私はそうすることで変化を受け止めることができると思っていますし、実際そうして生きてきました。

変化を自分で作り出し生きてきた自負は持っているつもりです。

そして、これからもそうしていくつもりですし、そうした生き方しか自分はできないと考えています。

まだまだ学ぶべきことは数多くあります。

その学びをこのブログを通して多くの方に共有していきたいと思っています。

最後まで目を通してもらいありがとうございます。
また次回お会いできることを楽しみにしています。

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