大人の学び直し【あなたの仕事・人生を実り豊かにするために】

スキルアップ

こんにちは。

今回は「大人の学び直し」について考えていきます。

社会人になったら急激に勉強しなくなるのが私たち日本人なんだそうです。でも勉強って色んな捉え方がありますよね。何も「勉強=自己啓発」ばかりではありません。

勉強を「学び」と捉え直し幅を広げると学ぶことがいっぱいあるものです。

ということで今回は、私がキャリアコンサルタントとして勉強ついて相談を受けたとき良く勧めている「大人の学び直し」についてお話ししていこうと思います。

今回の記事で分かること。

  • 大人の学び直しについて
  • 学ぶことの大切さ
  • 何を学んでいくのか
  • どうやって学んでいくのか

楽しんで学んでいきましょう。

学び直しの必要性

本当の自己啓発とは

まずは私のブログでも何度か紹介している数字から話しに入ります。

私は【人生を豊かにする!時間の作り方6選】という記事で「日本人の学習、自己啓発のための時間は1日平均6分」という調査報告を衝撃的数字として紹介しました。

今思い出しても結構衝撃的な数字ですよね。

「6分」という数字自体も衝撃的なんですが、学習や自己啓発に使う時間がたった6分でもやっていけてしまう社会の在り方そのものの方が私には衝撃的です。

これじゃ世界に置いていかれるのも良く分かります。世界時価総額ランキングの平成元年分と平成30年分を並べたこの表が全てを物語っていますよね。

でも厚労省の平成30年度「能力開発基本調査」によると、従業員の自己啓発に対して支援を行っている企業は「正社員で82.5%、正社員以外が55.4%」となってるんです。

少なくとも多くの企業が社員の自己啓発の支援をしている。

それでも「6分」って数字になるということは、企業側と働く側の意識に何らかのギャップがあるんだと思うんです。それが何かは調査報告もないんでハッキリとは分かりません。

でも何となく企業が行う自己啓発に対して社員が「やらされ感」を持っていると感じてしまうのは私だけでしょうか。たぶん社員はそれを自己啓発とは思っていない。

おそらく企業が与える自己啓発という名の能力開発は社員にとっては「仕事」なんだと思います。そういった意識の差を個人的には感じています。

ここで改めて「自己啓発」を定義したいと思います。

自己啓発
「本人の意志」で自分の能力やスキルを向上させたり、精神的に満たされ成長するために行う学びのこと。

エヌヒロ

ハイ。ポイントは「本人の意志」ってところです。

だから企業が社員のために自己啓発を行うなんていうのは、私的にいえば「それって自己啓発?」って感じなんですが、日本で言う「自己啓発」はこれが一般的なんですね。

でもやっぱり自己啓発というのであれば「本人の意志」っていう部分には拘りたいと個人的には思います。

私は「自己啓発=勉強=仕事のため」なんて考える必要はないと考えます。もちろんそれはそれでOKですし意味はあります。

私の結論としてはもっと広く捉えて「自己啓発=学び=自分のため」と考えてみたらどうでしょうか?。

こう捉え直すことで「学ぶ」ということがずいぶんと身近になってきませんか?。

本来であれば「自分のために学ぶこと」こそが自己啓発なんです。でも学びと自分の間に仕事が入ってしまうとどうしても窮屈になってしまう。

もっとリラックスして学びを捉えると間口も広がり伸び伸びと学んでいけます。そしてそれが結果として仕事の能力開発につながっていくこともある。そう思います。

学び直しのススメ

そこで私がおすすめするのが「学び直し」です。自己啓発なんて難しい言葉を使う必要はありません。自分の好きなことをまた学んでいけばいいだけのことです。

学び直しについては「義務教育を終えた社会人が、大学などの教育機関でもう一度教育を受けること」なんて定義している人もいます。

細かく定義するとそうなるのかもしれませんが、今まで学んでいなかった人が「独学で自分の好きなこと」を学ぶようになることだって立派な「学び直し」です。

固く考えずにリラックスして柔軟に考えていきましょう・・・しかし・・・なんです。

実は厳しい数字が報告されています。

【マイナビ】が全国の20~59歳の会社員男女800人に行った調査報告によると学び直しに関心を持つ人は約82.1%」。何と8割以上の人が学び直しに関心を持っている。

しかし・・・「しかし」なんです。

学び直しに関心を持っているが「実際に学び直しをしている人は16.9%。実際やってる人はたったの16.9%しかいない。

しかも・・・「しかも」なんです。

現在は何もしていない人は83.1%(過去にしたことがある36.6%+したことはない46.5%」。この理想と現実のギャップ・・・なぜって感じなんです。

ここからも「社会人になったら勉強しない日本人」像がハッキリしますね。現在は何もしていないって人が8割超えてるんですから・・・。

それでやらない理由なんですが・・・なんかもう分かりますよね。お決まりの理由でしょう。

そう・・・「時間がない52.6%」「お金がない30.7%」「何から始めればいいのか分からない20.6%」お決まりの「時間+お金+情報不足なんですね。

【マイナビ】の調査報告でも分かるのが「学び直し」のベクトルが「仕事」の方へ向いてるんですね。「向いてる」と言っても「やってる人は16.9%」しかいないわけですが。

先にも言いましたが、もうちょっと学びの間口を広げて捉えましょう。

「自己啓発=勉強=仕事のため」ではなく「自己啓発=学び=自分のため」って言いました。そして「学び=学び直しです。

もっと自分のために「学び直し」をしましょう。その方が人生は豊かになるはずです。それが結果的に仕事に対してもイイ実りをもたらすと私は思います。

国も人生100年時代と叫び「学び直し=リカレント教育」なんて言って推進していますが、そんなの気にせずに「自分のため」に「学び直し」をやっていきましょう。

好きなことから始めればイイと思います。まずは「学び」に対して「慣れる」というか「癖(くせ)」をつけると言うか・・・。

日本人は社会人になり学ぶことをやめ学びから遠ざかっています。数字が物語っています。そんな人が急に学びを再開しても継続できるはずはありません。

まずは「できること」「好きなこと」から学び始めて学ぶことに慣れていきましょう。それを続けていく。そうすることによってそれが学び直しにつながっていくはずです。

今回の記事では「久しぶりに学びを再開することも学び直し」と捉えて話を進めていこうと思っています。

学び直しの必要性はみんな分かっている。数字が示しています。これからは仕事のためではなく自分のために学び直しをやっていきましょう。

ということで次項では何を学び直していくのか・・・私が相談を受けたときに、おすすめしている学び直しの対象を紹介していきます。

何を学び直すのか

歴史 

私の個人的なおすすめは「歴史」の学び直しです。

学生の頃は歴史なんて学んで何になるのかと思っていましたが、社会に出て世の中の動きがある程度分かるようになると歴史を学ぶ意味への認識も変わってきます。

逆に言うと歴史を学べば世の中の動きが分かるようになるということです。

なぜか・・・。

それは世の中の出来事の多くは過去の歴史的事実とリンクするところがありますし、問題解決の方策もそこに眠っていることが多いからです。

歴史で思い出すのは「日本史」「世界史」に分けた学校の授業ですよね。でも私は区別することなく「歴史」として学んでいけばイイと思います。

だって日本史は世界史の一部でしかないんですから。

たとえば近代史なんて学校では詳しく教えてくれませんよね。でもいまだに残る近隣諸国と諸々の問題はこの時代に端を発するものばかりですよね。

ちなみに私は明治維新をはさみその前後の勉強を長く続けています。江戸末期から日本が世界に追いつけとがんばっていた時代です。

この時代、学べば学ぶほど深く新しい発見があります。研究も益々進んできている。何よりも現在にまで続く日本のシステムの原型をこの時代に見ることができます。

歴史を学ぶことは過去を学ぶことですが、現在から未来への道筋を学ぶことにつながっていくと私は思います。

「歴史に照らして考える」なんて言いますよね。

時代はいつでも構いません。あなたの興味のあるところから歴史に触れてみて下さい。必ず何か「新しい発見」があるはずです。

金融・経済

何を学び直すか迷っている方は最初に「金融と経済」を学び直すことを強くお勧めします。

というのは私たちが日々働いているのは収入を得るためであり、そこには必ず金融と経済の原理が働いているからです。

私たちは資本主義の世界で働き生活しています。好むと好まざるに関わらず資本主義のルールのもとで動いているわけです。

そのルールがどうなっているのか。お金はどう動いているのか。私たちの労働は世の中のどの部分で価値を生み、そこで得た収入はどこから来てどこへ行くのか。

金融と経済を学べばそんな世の中の動きがよく見えるようになります。また日々流れてくる為替や株価のニュース、経済指数などが身近に感じられてきます。

世の中はグローバル化しています。金融や経済も当然グローバルになり複雑になってきています。

その複雑化したグローバル経済の中で仕事をしていく上でも金融と経済の学び直しには大変意味があることだと思っています。お勧めです。

数学

学校で勉強するとき「何で数学なんて勉強する必要があるんだろう?」なんて思ってませんでした?。「四則計算ができれば生きていけるよ」なんて。私もその1人ですが・・・。

それはそうなんですが、数学を勉強するのにはそれなりの意味があると今になって分かったりします。

なぜ数学を学ぶのか?。色んな理由があるんでしょうけど結局ここに行き着きます。「論理的思考力」を身につけるためなんですね。

論理的思考・・・そう「物事を筋道立てて考えること」これを身につけるためなんです。

そういった見方で数学を見直すと論理的にできてますよね。公式(定義)というルールに基づいて答え(結論)まで行き着けるわけです。

答えに至るプロセスに間違いがあったり余計なことが加わると結論には至らない。どうです?。これって論理ですよね。だから数学ができる人って論理的な人ということができるんですね。

私たちは社会人になっても多くの場面で意志決定を求められたり交渉を重ねたりする必要に迫られます。そこでは論理的でなければ良い意志決定もスムーズな交渉もできないわけです。

だから文系とか理系に関係なく私たちは数学を学んでいるんです。

ちなみに論理的思考力を学ぶのに難しい数学はいりません。中学校レベルの数学から学び直してみませんか?。手応えがないって人は高校レベルの数学まで学び直すのは大いに有りです。

その際のおすすめは「高専の数学」という教科書で学ぶことです。私は子供たちが高専卒なんでその教科書を使って数学の学び直しにチャレンジしています。かなりの手応えですよ。

アマゾンで購入できます。

語学

これも入りやすい学び直しですよね。

語学の学び直しといったらまずは「英語・英会話」ってことになるんでしょうけど、第2の経済大国になった隣国の「中国語」をこれから学んでいくのもイイかもです。

語学というとどうしても「仕事がらみ」になって「やらされ感」も出てきがちです。

でもあなたのキャリアビジョンを考えて仕事のためであろうがなかろうが語学を学ぶことに意味があるのなら早めに学び直しを始められることをお勧めします。

英語や中国語にかかわらず語学を学ぶことは学んでいる言葉の国の文化を学ぶことになります。世界を知ることは自分自身が豊かになっていくことを意味します。

さっきも言いましたがグローバルな社会です。これから社会は益々多様化していくことでしょう。そんな社会でコミュニケーションをとっていくために大切なものはまず言葉です。

テクノロジーが進み自動翻訳機も精度を上げてきています。しかしどれだけテクノロジーが発達しようとも人と人との感情交流は言葉と態度だけが行えるものだと思います(そう信じたい)。

語学を学び直すことにはこれから生きていく上で大きな意味がある・・・そう思います。

ちなみに英会話についてはこんな記事も書いてます。興味のある方は読んでみて下さい。

資格取得

資格取得を目指すのも立派な学び直しです。仕事のため、昇給昇進のため、転職のため、将来ビジョンのため・・・色んな理由があると思います。

学びとか学び直しとか考えず、あなたの思いやビジョンの実現のために資格取得を頑張って下さい。

資格取得について私は以前以下の2つの記事を書いています。ぜひ参考にして下さい。

心理学

ここから先は「学び直し」というか「学び」の色が濃いものを紹介します。

現代社会は昔と違い色んなことが複雑化しています。人間関係もそのひとつかもしれません。

インターネットやSNSの発達は、表現やコミュニケーションの手段を拡大しました。その一方で情報リテラシーは置き去りにされ心の問題を抱える人も増えてきています。

また激変する社会や仕事環境に私たち人間がついて行けなくなる場面も少なくありません。

サラリーマンとして生きていく限り人間関係の問題は避けて通れず、激変する社会に対応していく中で心が折れそうになることは誰だって普通にあることです。

そんなとき心理学が心の支えになってくれることがあります。心理学なんて聞くと人の心を操作したりするような感じを受けますがそんなことはありません。

心理学を学び心を理解すると人間関係を良好に保ったりストレスをコントロールするヒントやコツが見つかります。

心理学だといってアカデミックになることなく「気軽に心を学ぶ」というスタンスで取り組んでみて下さい。

投資

日本人は投資より貯金を優先しますよね。「リスク」を必要以上に気にして投資を避けているようにすら思えます。

私は何も「投資をしましょう」なんて叫んでるわけではありません。「投資を学びましょう」と言っているだけです。

学ぶことは広く世界を知ることです。知らないことをそのままにして行動しないことこそが「リスク」だと私は思います。

少なくとも投資における「リスクの正体」が何なのかは学ぶべきだと思います。そして「リスクをヘッジする」ためにはどういった方法あるのか・・・そこを学ぶ。

それは現実社会でも役に立つ考え方を学ぶことでもあります。

難しく考えずに、まずは学んでみましょう。実際に投資をやるかやらないかはそれからです。

IT

世はIT社会です。私たちはこのITが織りなすネットワークから逃れることはできません。好むと好まざるに関わらず、ITのネットワークの中で生きていくことになります。

そうであれば学ぶしかありません。いくら「ITだ」「デジタルだ」と言ったって、その正体さえ分かれば対処していけるはずです。学ぶことでITリテラシーも身についていきます。

ITも学んでいくには絶好の対象です。大いに学んでいきましょう。今の世の中が見えてくるはずです。

趣味の追求

多かれ少なかれ人は趣味を持っているはずです。そこを追求してみませんか?。追求することは学びを深めることです。

私の息子は「コーヒー」に凝っています。

豆の種類、焙煎の方法や時間、挽き方、淹れ方、お湯の温度や量などなど・・・その奥はとことん深い。だから面白い。だから学ぶ価値もある。学びも深くなります。

趣味を極めようと思ったら、もしかしたら一生かかるかもしれません。ということは一生学ぶことになるかもしれないということ。

そこには人生の楽しみがあるし、継続的な学びの原点があるのかもしれません。

学び直しの方法

独学

まずは自分で頑張って学び直してみましょう。

読書をしたりネットを活用すればある程度の学び直しはできてしまう世の中です。活用できるものはどんどん活用していきましょう。

独学していれば遅かれ早かれ行き詰ることもあるでしょう。でもその時どうやって行き詰まりに対処していくのか。それもまた学び直しです。「あなたのノウハウ」になります。

「行き詰まりをも楽しむような気持で学ぶ」。これこそが独学での学び直しを継続するポイントです。

オンラインスクール

費用に余裕があるのなら「オンラインスクール」を活用するのは大いに有りです。効率が違います。

「いつでもどこでも学べる」がオンラインの最大の利点。効率よくあなたのライフスタイルに合った形でオンラインスクールを活用していって下さい。

オンラインで学ぶことについては詳しい記事を書いています。ぜひ読んでみて下さい。

マナパス

【マナパス】って知ってますか?

マナパス
大学等における学び直し講座や支援制度に関する情報を発信する社会人のためのポータルサイト

元々は国が「就職氷河期世代支援プログラム」の一環として推進してきたもののようです。これを活用しない手はありません。

あなたの学び直しの方法を見つける手段として活用して下さい。

【マナパス】
「いつでも・どこでも・誰でも」学べる社会に向けて社会人の学びの情報をお届けします

無料講座の紹介

その他ネットには無料で受講できるサイトが豊富にあります。お伝えしておきます。

  • 【JMOOC】日本最大の無料で学べるオンライン大学講座
  • 【gacco】無料で学べるオンライン講座
  • 【OpenLearning,Japan】誰でも自由に学べ修了証も取得できる
  • 【Fisdom】大学レベルの授業を無償で学べるプラットフォーム
  • 【Schoo】ビジネスパーソン向けオンライン学習プラットフォーム

ここに列記したのは「MOOC(MOOCs):ムーク」とい呼ばれるインターネットを利用して行われるオンライン授業です(複数形のムークスと呼ばれることもあります)。

MOOCはアメリカから始まったサービスで、スタンフォード大学なんかが参入し始めたことをきっかけに大きく広がってきたものです。

MOOCの特徴は多くのサービスが無償で利用できることです(一部プレミアム有料プランもあり)。今回は日本語で学べる講座を集めてみました。

大学講義というとアカデミックな内容を連想しがちですが、ITやコンピューターサイエンス、ビジネススキルといったもの、小学校高学年からシニア世代まで学べる講座もありますよ。

あなたの目的にあった学びを探してみて下さい。

最後に

今回は学び直しについて考えてきました。

学び直しは「いくつになっても、誰でも」始めることができます。しかし難しいのはその学びを継続していくことです。

継続するために必要なことは「内発的動機づけ」だと思います。内発的動機づけについては「やる気を出す方法【あなたの行動を後押しするものとの関係性】」に詳しく書いています。

あなたのライフスタイルに合った方法で、学びたいものを好きなだけ学んでいける時代です。ぜひ学び直しを始めて仕事や人生を実りあるものにしていって下さい。

最後まで目を通してもらいありがとうございます。
また次回お会いできることを楽しみにしています。

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