こんにちは。
今回は環境の変化が激しい昨今の状況にピッタリの記事です。
激しい変化に対応していくためには自分自身も柔軟に変化していくことが重要です。
環境の変化に合わせて自分自身のキャリアも柔軟に変化させていく・・・そんなキャリア形成の考え方に「プロティアン・キャリア」があります。
「プロティアン・キャリア」は日本では「変幻自在のキャリア」・・・なんて訳されます。
変化することは成長することです。
今回はプロティアン・キャリアを紐解きながら変化の激しいキャリア環境への対応を学び、それを実践するにはどうしていけばいいのか考えていきたいと思います。
今回の記事で分かること。
- キャリアを取り巻く環境変化について
- プロティアン・キャリアについて
- 変化に対応する柔軟な働き方について
キャリアを取り巻く現実
今、私たちのキャリアを取り巻く現状は大変な変化にさらされています。
おそらく時代の「過渡期」と言っていいんだと思います。
私たちが置かれたキャリアの現状を列記してみます。
- 成果主義に代表される新しい評価制度の導入
- デジタル化への対応
- テレワークの常態化
- ジョブ型雇用の導入
- 通年採用への移行
- 中途採用の増加
- 同一労働同一賃金の導入
- 副業・複業の緩和
- 早期退職制度の常態化および低年齢化
- リストラの加速
- 黒字リストラの増加
- キャリアプランニング教育の推進
- 学び直しや資格取得の推奨
- 人生100年時代という掛け声
いかがですか・・・?
こういった内容を聞かない日はないくらいにキャリアを取り巻く現実は変化し、厳しさを増すばかりといった状況です。
並んだものを見ると「自分のことは自分でやるように」って言ってるように思えませんか?
「もう組織は面倒見切れないよ」・・・とも取れますね。
上には取り上げていませんが「脱炭素」「環境保護」「SDGs」への移行等々・・・産業構造も大きく変化を迫られています。
まさに「激変の時代」なんですね。
そんな激変の過渡期の中で私たちはキャリアを積み上げていかなければなりません。
当然これまでの常識に捉われてばかりいては変化に対応していけないでしょう。
こういったキャリアを取り巻く現実にどう対応していけばいいのか・・・?
それが今回のテーマです。
そこに対応していくのが「プロティアン・キャリア」です」。
次項ではその「プロティアン・キャリア」というキャリア理論を詳しく見ていきたいと思います。
プロティアン・キャリアとは
「プロティアン・キャリア」とは何かをここでは見ていきます。
プロティアン・キャリア
変化の激しい環境の中で自分自身も変化することで変化に対応していく柔軟性の高いキャリア形成のこと。
環境の変化し合わせて自分自身も変化する柔軟なキャリア形成ってことですね。
アメリカの心理学者「ダグラス・ホール」が提唱したものです。
「プロティアン:Protean」とはギリシャ神話の「意のままに姿を変える神:プロテウス」からきています。
だからプロティアン・キャリアは「変幻自在のキャリア」とも言われたりします。
仕事環境や産業構造をはじめ、社会全体が大きく変化している時代にあって大変注目を集めているキャリア理論なんです。
この「プロティアン・キャリア」・・・従来のキャリアとどう違うのか?。列記してみます。
従来のキャリア ⇒ プロティアン・キャリア
- 主体:組織 ⇒ 個人
- 価値観:昇進・権力 ⇒ 自由・成長
- 移動頻度:低い ⇒ 高い
- 成功の尺度:地位・給料 ⇒ 心理的成功
- 仕事への姿勢:組織へのコミット ⇒ 仕事満足感
- アイデンティティ:組織への気づき ⇒ 自己への気づき
- アダプタビリティ:組織で生き残る ⇒ 市場価値を高める
アダプタビリティー (Adaptability)とは聞きなれない言葉ですが、変化に適応する「能力」と変化に適応させる「モチベーション」のことです。
見て分かる通り「プロティアン・キャリア」は従来型のキャリアに比べて「個人が主体」になっていることが分かります。
その大きな特徴は
- キャリアは組織ではなく「個人」によって形成される
- キャリアの目標は個人の「心理的成功」である
というものです。
「心理的成功」についてホールはこう言っています。
心理的成功は「自尊心」を高めることになり、それにより自己への気づきが高まり適切な「キャリア選択」をすることができる。
そしてホールが「プロティアン・キャリア」を実現するために必要なこととして上げているのが2つの「コンピテンシー(成果をあげる考え方)」なのです。
2つのコンピテンシー
- アイデンティティ:自己への気づき・価値観・志向性
- アダプタビリティ:変化に適応していくスキル・モチベーション
この2つです。
こういったことから分かるのは、変幻自在に姿を変える「プロテウス」のように環境変化に合わせて柔軟なキャリアを送っていこうというメッセージです。
もう組織頼みのキャリア形成は限界にきている・・・これからは個人が主体的にキャリアを形成し自ら変化し続けていく必要があるというとですね。
人生100年時代と叫ばれています。
まだまだ先は長い。
長い人生を主体的・能動的に送っていくためにも「プロティアン・キャリア」の考え方は大きな気づきを与えてくれます。
ではこの「プロティアン・キャリア」を実際のキャリアの中でどう活かしていくのかを次項で見ていきたいと思います。
変化しつつ柔軟に働く
見てきたように「プロティアン・キャリア」は従来型のキャリアとは正反対なキャリアの考え方となっています。
これまでは、
- ひとつの会社で定年まで働くことこそが幸せである
- 会社に尽くすことが自分のキャリアのためである
- 転職はキャリアアップには繋がらない
「プロティアン・キャリア」は、こういった従来の価値観を真っ向から否定するものですね。
大好きです・・・この考え方。
別に自慢するわけではありませんが、私はもう何十年も前から「プロティアン・キャリア」的な考え方でキャリアを過ごしてきました。
もちろん「プロティアン・キャリア」なんて知りませんでした。
当然、時代背景が違ったんで周囲から評価されることなんてありません。
でも私の心理的な部分は十分に満たされていました。
私の中の「心理的成功」は達成できていた・・・そう思います。
すみません・・・話が私事になってしまいました・・・話を戻します。
今現在そしてこれから先、社会環境が激変する中でキャリアを送っていくためには従来型のキャリアでは満足感の高いキャリア形成ができない。
「プロティアン・キャリア」が教える大切なのはことは「柔軟に変わっていく能力」です。
そのためには次のようなことが重要です。
- キャリアの主語を「個人」にする
- 自由にキャリアを選び成長を目指す
- 成長のためには複数の組織を移動する
- 仕事の達成に対して満足感を求める
- 地位や給料ではなく「心理的成功」を目指す
- 常に自分を振り返り気づきを忘れない
- 自分の市場価値を高め続ける
変化の激しい時代にはどれも必須の考えです。
でも気をつけなければならないのは一度に全部はできないということです。
いつも言ってますが目標を達成するにはステップが必要です。
そうです・・・小さな目標から始めて下さい。
そう・・・スモールステップが重要です。
私は何も「会社を変われ」なんて言ってるんじゃありません。
キャリアの主体を組織から「個人」に取り戻しましょう。
「個人」・・・「あなた」を主語にするのです。
そう言いたいだけ。
全てはここからスタートです。
ここがスタートラインです。
ここに立たないことには先には進めません。
そしてひとつずつ目標を立ててクリアしていって下さい。
目指すのは「心理的成功」です。
「心理的成功」を感じることで自尊心が高まり適切なキャリア選択ができるとホールも言っています。
主語は「あなた」です。
あなた自身をしっかりと振り返り、あなたにとっての「心理的成功」とは何かを自問自答して下さい。
そこにこそ激変する仕事環境を変幻自在に姿を変えながらサバイバルしていくあなたのキャリアがあるはずなのです。
最後に
今回は「プロティアン・キャリア」を見てきました。
「プロティアン・キャリア」の考え方は激変する仕事環境を生き抜いていくために大変重要であり有効な考え方です。
もちろんすぐに誰もが身につくものではありません。
でも「プロティアン・キャリア」のような考え方があることを知っているだけで目の前に変化が訪れた時、対処の仕方に違いが出てくるはずです。
「プロティアン・キャリア」については詳しい書籍やネット情報も多く学びやすいキャリア理論だと思います。
これからのキャリアを考えていく上で参考にされるべきキャリア理論です。
あなたのキャリア形成にも是非取り入れてみて下さい。
必ず視野が広がると思います。
最後まで目を通してもらいありがとうございます。
また次回お会いできることを楽しみにしています。
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