こんにちはエヌヒロです。今回はコンピテンシー評価について考えていきます。
コンピテンシーって聞いたことはありますか?。最近ずいぶんと広まってきたように思っていますが、十分に浸透していくにはまだまだ時間がかかりそうな気がします。
コンピテンシーとは「高業績者の行動特性」なんて言われてますがイマイチ分かりづらいですよね。ということで今回はコンピテンシーについて読み解いていきます。
コンピテンシーを知らない人はもちろん知っている人も再確認の意味で読んでみて下さい。
今回の記事はこんな人のお役に立ちます。
- コンピテンシーを知らない人
- コンピテンシー概略を理解したい人
- コンピテンシーの使われ方を知りたい人
- コンピテンシーの活かし方を知りたい人
こんな人は必読です。
コンピテンシーとは何か?
それではまず「コンピテンシー」とはいったい何なのかってところから入っていきます。難しく考えずいつもの通りリラックスしてインプットしていきましょう。
コンピテンシーの意味
コンピテンシーとはいったい何か…?
コンピテンシー(competency)
Wikipedia
企業などで人材の活用に用いられる手法で、高業績者の行動特性などと訳されている。
Wikipediaにはこう書かれています。
分かり難い…。
辞書で調べると「能力」とか「技量」なんて訳してあります。
でもこの「コンピテンシー」は、人事の世界ではそう訳さず、Wikipediaの説明にあるような意味合いで使われてるんです。だから分かり難い!
それで、エヌヒロ流にコンピテンシーを分かりやすく説明するとこんな感じになります。
コンピテンシーとは
優秀な成果や業績をあげている人の行動の仕方。成果をあげるための行動。
どうでしょう?!
ずいぶん分かりやすくなったのではないかと思います。
エッ!?、それでもピンときませんか?
ではもっと噛み砕いてみます。先程コンピテンシーは本来「能力」の意味であると言いました。「能力」を辞書で引くとこう書いてあります。
能力 = 物事を成し遂げることのできる力。
三省堂 大辞林 第三版
そうなんです。
能力とは「物事を成し遂げる(何かをすることができる)力」のことですよね。
これに対して人事で言うところのコンピテンシーとは「物事を成し遂げる(成果をあげる)ための行動」のこと。そう「行動する」というのがキモなんです。
「力」があっても「行動」しなければその能力は絵にかいた餅でしかありません。行動してこそ初めて成果は生まれてくるものなのです。
例えばあなたが簿記の資格を持っているとしましょう。あなたは履歴書やエントリーシートの有資格欄にしっかりと「簿記」と記入しています。
しかし残念ながら、簿記という資格を持っているだけでは何も成果が生まれるわけではありません。
成果というのは、あなたがバランスシートや損益計算書に入力したり読み解くという「行動」を起こして初めて何らかの結果(成果)が生まれてくるわけなのです。
このように資格を持っていることは能力として評価はされますが、実務にあたり成果を生み出さない限りコンピテンシー的には全く評価の対象にならないということになるのです。
さらに重要なことがあります。
コンピテンシーで成果があがったとしても偶然の産物や運ばかりでは意味を持ちません。
そうです、もうひとつの大切なこと…それは「なぜ成果があがったのか」ということ。
自分の頭で考えて行動し結果(成果)を生み出す。いかなる状況でも同じように安定した結果(成果)を生み出すことが求められる…それがコンピテンシーなのです。
大切なのは行動…それをしっかり頭に入れておいて下さい。
藤井聡太のコンピテンシー
2020年7月16日、藤井聡太棋士が渡辺明三冠を破り史上最年少で「棋聖」のタイトルを手にしました。もう凄いの一言!そして今や五冠!…脱帽です。
私は将棋については駒の動かし方ぐらいしか分からない素人です。藤井棋聖が指す将棋のどこがそんなに凄いのかは全く分からないのですが、それでも凄いと思います。
何がそんなに凄いのか・・・テレビ越しに見る彼の印象や報道をもとに私が藤井棋聖のコンピテンシーを診断してみます(B-CAV45、45のコンピテンシーを参照)。
- マナー意識
- 継続力
- 情報収集
- 成長意欲・学習意欲
- 状況把握・自己客観視
- クオリティ
- 主体的な行動
- タフさ
- ストレスコントロール
- 柔軟な対応
- スペシャリティ
- 創造的能力
- 目標達成
- 問題分析
- 改善
- 傾聴力
- 目標設定
今回タイトルを獲得したときの会見や以前のインタビューなどから私が感じたものを列記してみました。
凄すぎます!人事面におけるコンピテンシーとしては、もうベテラン社員というか課長や部長クラスが有するコンピテンシーを獲得されているように思えます。
史上最年少で棋聖タイトルを獲るのも当たり前ではないかと、彼のコンピテンシーを見ると思ってしまうのです。
対局中やその前後のマナーから始まり、対局相手に対するリスペクト、敗北からの立て直し、継続的な研究や努力、記者への受け答え・・・どこから見ても超一流!
何と言ってもあの総てをも飲み込んでしまいそうな物腰の柔らかさと、俯き目を閉じてのコメントそして笑顔・・・これが18歳?…信じられない!
これからも彼は色んな記録を塗り替えていくことでしょう。
もちろん試練もあるでしょう。しかし彼は類まれな才能と精神力を持って、いとも簡単に乗り越えていくような気がます。私たちの目に触れない努力の結果として…。
コンピテンシー評価の作り方
藤井聡太棋聖を例にあげコンピテンシーを見てみました。コンピテンシーはこのように成果をあげるための行動特性のことをいいます。
各企業では社内にいる高業績者(ハイパフォーマー、エース社員)をインタビューすることで彼らの行動特性を聞き取りコンピテンシーとしています。
どういったことを聞きとるのか、それは「高い成果をあげるために日々どんなことを考え、どんな行動をとっているのか」ということです。
インタービューによって高業績者の行動特性が明らかになります。それを数種類のコンピテンシーとして項目別に設定しているわけです。
藤井聡太棋聖で示した「マナー意識」~「目標設定」までの17のコンピテンシーがその項目にあたります。コンピテンシーは当然各企業によって違いますし違って当たり前ということになるわけです。
このように企業はまずコンピテンシーの抽出から始めコンピテンシーを設定。その後、社内の色んな場面でコンピテンシーを活用していくことになります。
特記:コンピテンシーの例を調べたい方は「コンピテンシーディクショナリー
(スペンサー&スペンサー)」でググって下さい。
コンピテンシー評価の導入事例
ここからはコンピテンシーの導入事例を見ていきます。実は色んなところでコンピテンシーは活用されています。
採用面接
コンピテンシー面接なんて言い方があります。これはコンピテンシーを採用面接に活用することを言います。
これでどういうことが分かるのかというと「応募者が自社で成果をあげるスキルを持っているか」ということに尽きます。
見てきたようにコンピテンシーは自社内のハイパフォーマーから抽出した「成果をあげるための行動」のことです。このコンピテンシーを持っている応募者は自社にマッチし成果をあげる可能性が高いということになります。
またコンピテンシー面接は自社のコンピテンシーによって進められていくため応募者に対し客観的な評価がやりやすいというメリットがあります。
このようにコンピテンシーは企業が求める能力を持った人材を的確にまた客観的に判断する面接用のツールとして活用されているのです。
社員研修
コンピテンシーは社員研修でも活用されています。
社内で成果をあげる行動はコンピテンシーとして明らかになっています。後はコンピテンシーが持てるように社員を教育していくだけです。
その社員はコンピテンシー面接で採用した社員です。全てというわけには中々いかないと思いますがコンピテンシー研修との相性も良好な結果を示すことが多いはずです。
社内で成果をあげるためには「どのような思考で、どういった行動をとればいいのか」ということを軸に目標設定することで、より高い効果を生むことが期待されるのです。
人事評価
コンピテンシーは人事評価にも活用されます。ここが一番ウエイトが大きいかもしれません。
なぜか・・・評価者によるブレが少なくなるからです。
コンピテンシー評価では評価項目を細かく設定することで評価者による偏りが入りにくくなり「評価エラー」を防ぐことにつながります。
もちろん評価される側にとってもコンピテンシー評価は納得感の高いものとなり、そのメリットは双方にとって大変大きいものがあると言えます。
コンピテンシーで自己評価を高める
コンピテンシーについて見てきたわけですが、私たちはコンピテンシーとどう付き合っていったら良いのでしょうか。
コンピテンシーは各企業によって違うと述べました。それは事実なのですが、各企業のハイパフォーマーから抽出したコンピテンシーというのは多くの項目で似通ったものとなります。
そして多くの企業で抽出されたコンピテンシーは普遍的で汎用的であることが多いのが事実なのです。
ということはコンピテンシーというのは私たちにとって普遍的な評価基準ということになり、仕事をしていく上で重要な基準と言っても過言ではありません。
このようにコンピテンシーという普遍的な評価基準を知り、自分にとって必要かつ不可欠なコンピテンシーを獲得すれば、どの企業に移っても活躍が期待できるということにもなります。
コンピテンシーの獲得はあなたのキャリアの選択肢も広げてくれるものなのです。
コンピテンシーはあなたを縛ったり制限したりするものではありません。むしろあなたの選択肢を広げる可能性を持った付き合うべき基準と言って良いと私は思います。
私たちはコンピテンシーに気づき獲得することで「キャリアを自由に選択する可能性を得ることができる」ということを知っておくべきなのです。
獲得したコンピテンシーはどこに行っても「成果をあげるための行動特性」として、あなを支え続けることでしょう。
まとめ
今回はコンピテンシーについて見てきました。企業によってはまだまだ浸透しておらず身近でない方も多かったかもしれません。
しかし見てきたようにコンピテンシーという基準は企業にとっても働く私たちにとっても大きなメリットがあります。企業側も働く側もコンピテンシーのことを良く知り有効に活用していきたいものです。
今回はコンピテンシーの概略についてお伝えしてきました。今後さらにコンピテンシーを深掘りした記事をアップすることをお約束して今回は終了したいと思います。
最後まで目を通してもらいありがとうございます。
また次回お会いできることを楽しみにしています。
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