こんにちは。
最近周りとうまくいかない。
どうも居心地が悪い…なんて感じてませんか?
もしかしたら、その落ち着かない感じは「思い込み」が原因かもしれません。
今回はそんな「思い込み」について考えていきたいと思います。
人は誰でも「思い込み」を抱えているものです。
でもそのことに中々気づかない。
「思い込み」は気づかない内に大きくなり、悩みやストレスを引き起こしてしまいます。
そんなやっかいな「思い込み」をなくすにはどうすれば良いのか…?
できれば自分で何とかしたい。
その方法を考えていきます。
思い込みとは
私たちは普段「思い込み」を意識して生活しているわけではありません。
生活や仕事をしていく中で「なんでこうなんだろう」とか「俺ってだめだよな」なんて考えることってありますよね。
自分の思いとは裏腹になぜか「うまくいかない」「うまくできない」ってことは誰にでもあります。
その原因に実は「思い込み」が関係している可能性があります。
そう、私たちは自分が「思い込み」を抱えていることに気づいていないんです。
「思い込み」は、ある出来事をきっかけに抱え込んだり、身近な人との些細な関わりの中で知らず知らずのうちに醸成されていくのです。
私たちは、無意識のうちに様々なことをすり込まれ「思い込み」に支配されていきます。
まずはそんな「思い込み」とは何かを考えていきましょう。
思い込み
三省堂 大辞林 第三版
① そうだとばかり信じきっていること
② それ以外にはないと固く心に決めること
こんなことを考えたことはありませんか?
- 期待には応えなければならない
- あの人はこうしてくれるにちがいない
- 失敗は許されない
- いい人であるべきだ
- 出世こそ良い人生だ
- 幸せな人生を歩んでいると思われたい
- 自分なんてこの程度の人間だ
これって実は「思い込み」色々なんです。
まだまだあります。
- 場の空気は読むべきだ
- 何が何でも会社や学校には行かなければならない
- 男が(女が)やるのが当たり前だ
- みんな残業しているのに自分だけ帰るのはおかしい
- 絶対に結婚して子供を持つべきだ
- 子供は親の期待通りに育つべきである
私たちは無意識のうちにこんな「思い込み」を抱えて日々生活を送っているのです。
改めて考えてみると、「思い込み」って私たちが行動する際の「前提」になっている気がしませんか?
この前提のことを心理学では「信念」と言っています。
信念は、育ってきた環境や経験によって「ある考え方」に捉われたり偏ったりします。
この「捉われや偏り」が、論理的に物事を考えるということに影響を与え、「論理的ではない考え方」をさせてしまうのです。
心理学では、この捉われや偏りがある論理的ではない考え方を「非論理的な信念」と呼んでいます。
この非論理的な信念こそ「思い込み」の正体なのです。
思い込みが起こる理由
私たちはなぜ「思い込み」をしてしまうのでしょう。
ここでは「思い込み」が起こる理由を考えていきます。
過去への捉われ
「思い込み」は、過去の経験や環境が原因で知らず知らずのうちに作り上げられていきます。
過去に捉われてしまう。
また、過去の失敗や後悔に縛られて醸成されてしまう思い込みもあります。
「あの時ああしていれば、こうしていれば良かった」
「あんなことさえ起らなければ、こんなことにはならなかった」
こんな感じです。
どうやっても変えることのできない過去の出来事ばかりに意識が向いてしまい、今現在に意識が向かないことが原因となり「思い込み」を抱え込んでしまうのです。
未来への捉われ
過去への捉われとは逆に、未来に捉われるケースもあります。
「今はうまくいっているけど、将来はきっとダメになるだろう」
「こんなことをやっていたら、いつか失敗するに違いない」
このように、未来に捉われ過ぎてどんどん不安が大きくなっていくケースがあります。
こうなってしまうと、新しく何かに挑戦しようという気持ちになれない状態に陥ります。
周囲の目を気にする
周りが気になって気になってしかたがないといった状態です。
自分が周りにどう見られているかも「思い込み」を大きくする原因のひとつです。
良くあるのが周りからの期待が大きいとき、自分のイメージを壊したくないとき。
期待に応えたいとか、自分のイメージを維持しようと頑なになったりとか…そういった感情も「思い込み」の原因となっていきます。
無力だという思い
自己否定のことです。
失敗や反省ばかりが気になって、自分自身を正しく評価できない状態は「思い込み」を抱える原因になっていきます。
自己否定は自分自身を苦しめます。
積極性もなくなり対人関係もうまくいかず、自分の能力や魅力を自ら封印してしまう状態になります。
自分は憐れだという思い
自分で自分のことを憐れだと思うことです。
難しく言うと「自己憐憫」。
自分に対して「憐憫の情」を抱いてしまう状態です。
こうなると悲劇のヒロインを演じることになります。
「誰も私のことを分かってくれない」
「私なんていてもいなくても関係ない」
このように思い込んでしまいがちになります。
ねばならない思考
「~しなければならない」といった思考に陥ることです。
「期待には応えなければならない」
「何が何でも会社や学校には行かなければならない」
といったものから
「長男なんだから家を継がなければならない」
「上司なんだから部下から尊敬されなければならない」
「ねばならない」思考に陥ると、何もしていない自分は価値がないという「思い込み」に陥るため、自分自身を認めることができなくなってしまいます。
認知による思い込み
認知とは
ここでもう少し詳しく思い込みを掘り下げてみます。
あなたは「認知」という言葉を聞いたことはありますか?
ここでは心理学でいうところの認知について説明します。
認知
ウィキペディア
心理学などで、人間などが外界にある対象を知覚した上で、それが何であるかを判断したり解釈したりする過程のこと。
分かるようで分からない…。
簡単に言うと認知とは物事や現実の「受け取り方」や「見方」のことを表しています。
ただし、受け取り方や見方は人それぞれ違います。
育ってきた環境や経験の違いなどから同じものを見たり感じたりしても、私たちは人それぞれ違った受け取り方や見方をするわけです。
そこには人それぞれが持っている認知の「フィルター」や「バイアス」がかかっているのです。
そのフィルターやバイアスもまた「思い込み」なのです。
多くの場合、認知のフィルターやバイアスは、経験やストレスなどで心理学で言うところの「歪んだ状態」となっています。
物事や現実を自分の認知により歪んだ状態で取り込み、自ら落ち着かない居心地の悪い世界を作り上げているわけです。
このことを「認知の歪み」と心理学では言っています。
そして物事や現実を目の前にした時、認知の歪みによる瞬間的な思考のことを「自動思考」と呼んでいます。
認知の歪みが大きいと、自動思考により瞬間的に全てをマイナスに受け取ってしまいがちになるのです。
こんな思考パターンが無意識のうちに「思い込み」となり、あなたを知らず知らずのうちに苦しめることになります。
そんなやっかいな「思い込み」を打破するにどうしたらいいのか?
まずその存在に気づくことが重要です。
もちろん簡単ではありません。
自分で自分を検証し見つめ直す作業がなければ「思い込み」に気づくことは難しい…それが「思い込み」の怖さなのです。
ここではその存在に気づくために「認知の歪み」について説明していきます。
あなたにも思いあたるところはありませんか?
また身近にこのような人はいませんか?
べき思考
「~すべきだ」という考え方に捉われていて、自分の考えを当然のこととして他人に押し付けてしまう思考パターンのことです。
「そんなの常識だ」
「まともな人間ならそうすべきだろ」
このような発言がこの思考の典型的なフレーズとなります。
常に不満感をかかえ独善的で差別的なところも特徴です。
マイナス化思考
良いことがあったときも、そのことをネガティブに位置付けてしまう思考パターンのことです。
仕事で成果をあげたとします。
でも…
「これはきっと近いうちに悪いことが起こる前ぶれだ」
とか…
「前回の失敗の穴埋めにしか過ぎない」
なんて…
いちいちネガティブに物事をとらえてしまう考え方のことをいいます。
良いことを素直に良いと考えず悪いことに置き換えてしまい、ネガティブな気持ちになってしまうのが特徴です。
心のフィルター
マイナス化思考は良いことを悪いことに置き換える考え方でした。
この「心のフィルター」は良いことを一切考えられなくなり、悪いことばかりを考えてしまう思考パターンのことです。
「今まで生きてきたけど良いことなんてひとつもなかった」
こんなことってないはずですよね。
でも実際に経験した楽しい思い出や経験を思い出せなくなっている。
そう…心にフィルターがかかっている状態のことなんです。
白黒思考
物事を「白か黒か」「良いか悪いか」など両極端に考えてしまうことです。
いわゆる中間がないってことですね。
「仕事は絶対にいい結果を出さないといけない」
「少しでもミスがあれば評価されない」
このように完全主義・完璧主義の思考パターンのことです。
自分に対しても他人に対しても納得ができなくなってしまいます。
拡大解釈・過小評価
自分の失敗を拡大解釈し、成功を過小評価してしまうことです。
ささいな失敗を取り返しのつかないことのように考えたり、評価されるような実績も極端に小さな評価として考えてしまいます。
また他人に対してはその逆に考えてしまう思考パターンです。
「失敗ばかりする自分は無能で何の役にも立たない人間だ」
「こんな成功なんて単なる偶然に過ぎない」
「それくらいの失敗なんて大したことないよ」
自分には厳しく他人には寛容であるというのもこの思考パターンの特徴です。
一般化のしすぎ
ひとつかふたつ位の事柄を見て「全部そうだ」と決めつけてしまう思考パターンのことです。
「いつも」「みんな」「絶対に」という言葉が出てきたら一般化のしすぎのサインであることが多いですね。
「私は”いつも”失敗ばかりしている」
「だから私は”みんな”に嫌われるんだ」
「どれだけ頑張っても”絶対に”失敗するに決まっている」
こんな感じです。
そんなことはないのに…思い込んでいるとそこが難しいんです。
感情的な決めつけ
論理的・理性的判断ではなく感情的に物事を判断してしまう思考パターンのことです。
怒っているときなど自分で何を言っているのか分からなくなることはありませんか?
根拠もなしに…。
「そんなことやっても無駄に決まってるだろ」
「最近何もうまくいかないから将来もきっとうまくいかないよ」
こんな風に感情を根拠にして物事を決めつけてしまっている思考のことです。
結論の飛躍
プロセスを飛ばしてしまい結論へと飛躍してしまう思考パターンのことです。
「心の読み過ぎ」と「先読みの誤り」の2パターンがあります。
・心の読み過ぎ
他人のちょっとした言動でその人がどう思っているかを決めつけてしまうことです。
「あの人は私から目をそらした…私を嫌ってるんだ」
・先読みの誤り
将来のことは誰にも分らないのに決めつけてしまう思考のことです。
「私はどうせ一生不幸だ」
「これからもずっと嫌われるんだ」
冷静に考えればそんなことはないんですが…これが「思い込み」の怖さです。
個人化または責任転嫁
物事のすべての責任は自分にある、逆に責任は自分には一切ないと決めつける思考パターンです。
「今日雨が降ったのは雨男の自分の責任だ」
「この仕事が失敗したのは私の責任ではない、全部あいつの責任だ」
このように物事の結果を過度に個人化してしまう傾向のことです。
思い込みをなくす方法
ここまで読み進めていただき、ありがとうございます!ここからは、どうしたら「思い込み」をなくすことができるのかを考えていきます。
自分でなんとかする!4つの方法
「自分でなんとかしたい!」そんな方は次の方法に取り組んでみましょう。
自問自答する
まずは自分がどの「思い込み」に陥っているのか自問自答することが大切です。
それを理解することが何よりの対処法になります。
「思い込み」や「認知の歪み」を確認し、自分自身がどのような状態なのか?
それをしっかりと認識するところから始めて下さい。
例えば「ねばならない思考」に陥っていることはありませんか?
「いつも」「みんな」「絶対に」とかを良く使っていませんか?
思い込みは知らず知らずのうちに抱え込んでいるものです。
それを確認するには自問自答しかありません。
ゆっくりと時間を取って自問自答をして下さい。
思い詰める必要はありません。
リラックスして自分自身を知るつもりで取り組んでみて下さい。
しっかりじっくり考える
物事や人と接するときは「しっかりじっくり」考えるようにして下さい。
物事や人に対して抱く自分の思いに疑問を持つことが必要です。
思い込みは瞬間的な自動思考が引き起こすと話しました。
そこをしっかりと意識する。
そして物事や人に対応するときは「しっかりじっくり考える」ことを心がけて下さい。
「自分は思い込みをしているのではないか?」
このうように、相対するものへの思いや考えに疑問を感じる癖をつけて下さい。
そうすることで、自分自身の振舞いや誤りに気づくきっかけになっていきます。
最初からできなくても構いません。
しっかりじっくり考えることを続けていくと、それが習慣となり自然に身についていくものです。
今の自分に集中する
過去や未来に捉われたり縛られたりしている自分を解放してあげましょう。
それには「今の自分」に目を向けることが大切です。
今の自分に集中することを心がけましょう。
過去や未来に捉われたり縛られたりしている自分を今に引き戻す。
そして今に集中することで捉われの時間を短くしていくイメージです。
今の自分に意識を向ける方法としては瞑想などがあげられます。
でも簡単にできておすすめなのが「深呼吸」です。
鼻から息を吸って口から吐くという呼吸法を繰り返しましょう。
難しく考える必要はありません。
自分が「落ち着いたかな」と思うまで繰り返して下さい。
ポイントがひとつあります。
鼻から吸った息を一瞬だけ止めて、できるだけゆっくり時間をかけて吐いていって下さい。
深呼吸という行為だけに意識を集中させ他のことは一切考えずに行いましょう。
過去や未来にとらわれたり縛られたりしている自分を解放するトレーニングとして生活に取り入れていって下さい。
疲れているときの意思決定を避ける
これは結構大切です。
「思い込み」や「認知の歪み」は疲れているときに出てきがちなものです。
論理的に考えると分かることも、疲れていると面倒になってしまうからです。
身体が疲れていたり気分が優れない場合の意思決定はできるだけ避けましょう。
どうしてもしかたがない場合は、「思い込み」や「認知の歪み」が出やすいことを意識し気をつけて決定するようにして下さい。
カウンセリングを受ける
自分で解決できないときは「カウンセリング」を受けるのも方法のひとつです。カウンセリングについてはコチラの記事に詳しく書いています。
「note」にも記事を書いています。良かったらぜひ!
最後に
今回は「思い込み」について考えてきました。
思い込みは無意識のうちに居心地の悪い世界を作り上げてしまいます。
少しでも思い込みについての知識を深め「もしかしたら」と思ったら早めに対処するようにして下さい。
「思い込み」は「belief」とも英訳されます。
その「belief」には「信念」という意味もあります。
そう・・・あなたが抱える「思い込み」はあなたの「信念」でもあるのです。
ただし「belief」である「信念」も、ある考え方に捉われたり偏ったりすると「非論理的な信念」や「認知の歪み」となりあなたを苦しめることになります。
思い込みに捉われることなく伸び伸びと生きていきたい。
でも人は誰でも思い込みを抱えてしまいがちです。
思い込みを知りそれに対処していくことで、いつもの自分を取り戻しバランスの取れた人生を送っていきたいものです。
最後まで目を通してもらいありがとうございます。
また次回お会いできることを楽しみにしています。
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