コミュニケーション能力を身につける・向上させる【人間関係・仕事に活かす】アサーションに学ぶ!

生き方

こんにちはエヌヒロです。

今回のテーマは「アサーション」です。

アサーション・・・聞きなれない言葉ですよね。

本文で詳しく触れますが、簡単に言うと「日常のコミュニケーションをスムーズにするためのスキル」のことです。

アサーションを理解することで「あなた気持ち」そして「相手の気持ち」を大切にしながら、人とのつながりに変化を与えることができるようになります。

今回はそんなアサーションの考え方に触れることで、窮屈になりがちな人との関係性を見直すきっかけを作ってもらえたらと思っています。

今回はこんな人のお役に立つ記事になっています。

  • 周りとうまくコミュニケーションがとれない
  • 自分の思ったことが言えない
  • 断れずに何でも引き受けてしまう
  • 人の意見にカリカリしてしまう
  • 自分らしい表現をしたい

こんな方は一読して下さい。

アサーションとは

それでは「アサーション」とは何かを見ていきたいと思います。

アサーション(assertion)
自分も相手(他者)も大切にする自己表現。

平木典子

アサーションとはこのように「相手の気持ちを大切にしつつ、自分もしっかりと自己主張するというコミュニケーションの方法」を言います。

例えばこんなことってありませんか?

今日は週末です。

1週間の仕事が終わりました。

幸い早く帰れそうです。

今日は早く帰って子供達と一緒に食事をしようと思っていました。

そしたら急に同僚から「飲みに行こう」との誘い。

あなたは「そんなこと突然言われても・・・」と心の中で思っています。

こんな時あなただったらどうしますか?

断り切れずに・・・「OK」と答えますか?

それとも・・・「急に言われても困るよ!」って予定を変えませんか?

あるいは・・・「また今度じゃダメかな?」って相談を持ちかけますか?

またこんな場合はどうですか?

あなたはコンビニに買い物に行きました。

商品を持ってレジに行ったら、店員同士がカウンターの奥で楽しそうにおしゃべりをしています。

こんな時あなたならどうしますか?

ムッとして・・・「客を待たすなよ!」って声を出しますか?

それとも・・・店員が気づくまで待ちますか?

あるいは・・・申し訳なさそうに「すみません」って声をかけますか?

どうですか?

ゆっくり考えてみて下さい。

どうでしたか?

私たちはこんなふうに、同僚や見知らぬ人、家族や友人といった様々な人達とコミュニケーションを取りますが、状況によってうまく話せたり話せなかったり、時には嫌な思いをしたりもします。

でも「アサーション」を理解すると「コミュニケーションがうまくいかないとき」や「人間関係でギクシャクしたとき」なんて状況をプラスの方向に変えることができるようになります。

アサーションは「自分も相手(他者)も大切にする自己表現」のことです。

自分も良し、相手も良し・・・それって気持ちが晴れ晴れしますよね。

2つ例をあげました。

こんな日常の何気ないシチュエーションに「変化」を与えることができるコミュニケーションの方法であり、人との関わり方なのです。

あなたがアサーションを身につけ他者との関係性にポジティブな変化が起きると、その変化が他の行動にまでポジティブに及んでいきます。

このようにアサーションは、コミュニケーションを円滑にし他者との関係性をより良いものにしていくと共に、自分らしい生き方にも気づかせてくれるものです。

内容的には大変奥が深いのですが、今回できるだけ分かりやすく「その入り口」をお話ししていきたいと思っています。

それでは次項でアサーションの3つのタイプを見ていきたいと思います。

アサーション3つのタイプ

アサーションには3つのタイプがあります。

  • ノンアサーティブ(非主張的自己表現)
  • アグレッシブ(攻撃的自己表現)
  • アサーティブ(非主張的と攻撃的の黄金率)

この3タイプです。

詳しく見ていきます。

ノンアサーティブ(非主張的自己表現)

ノンアサーティブ(非主張的自己表現)は他者を優先して自分自身は後回しにしてしまう自己表現です。

自分の考えや気持ちを「言わない」「言いそこなう」「言っても伝わらない」そんな自己表現のことですね。

これには「あいまいな表現」や「伝わりにくい小さな声の表現」また「消極的な態度」も含まれます

「どうせ自分なんてダメだ」とか「言ってもムダだ」なんて、どこかあきらめの気持ちを含んでいたりするんですね。それで自分を人に合わせてしまう・・・そんなタイプです。

ノンアサーティブタイプは、自分では相手に配慮したつもりでも結果的に相手から理解されにくくなり、無視されたり誤解されたりもします。

そして非主張的自己表現をした後は「やっぱり分かってもらえなかった」「せっかく譲ったのに」「私って駄目だな~」なんて気持ちになっちゃうんですね。

でもそれって逆に見ると「他者に決定をまかせている」とも受け取ることができ、無責任な人と思われてしまう可能性だってあるのです。

自己犠牲的というか・・・ストレスがたまりがちです。

アグレッシブ(攻撃的自己表現)

アグレッシブ(攻撃的自己表現)は自分のことだけを優先して考え、他者のことは考えず攻撃する自己表現です。

考えが自己中心的ということですね。

アグレッシブタイプはノンアサーティブとは違い自分の意見や気持ちをハッキリと自己主張します。

しかし相手の気持ちは無視、そして自分を押しつけるようなやり方をするのです。

「大声で怒鳴ったり」「命令したり」「言い負かしたり」「相手を操作したり」等々、自分の意見や気持ちを無理にでも通そうとするタイプです。

相手のいうことなんて聞く耳持たない・・・そんな感じです。

セクハラやパワハラもアグレッシブタイプに属するものです。

このようにアグレッシブな自己表現をするタイプは、相手を黙らせようとか無理にでも同意させようとするため敬遠され孤立しがちになってしまいます。

もちろん攻撃された方はたまりませんよね。

後味は悪いしとりあえず従いますが、良好な信頼関係とは程遠いものになってしまいます。

周りの人にストレスを与えまくっていると言うか・・・そんな感じですよね。

でもこのタイプって一見強そうで威張ってるように見えるんですが、必要以上に防御的である意味強がっているような感じもします。

いずれにしてもアグレッシブタイプは、他者との安定的な関係性を築くことができずに敬遠され孤立化していくことになるのです。

アサーティブ(非主張的と攻撃的の黄金率)

アサーティブ(非主張的と攻撃的の黄金率)は自分の意見や気持ちを大切にしますが、他者の意見や気持ちも大切に考え配慮する自己表現です。

ちょうどいいバランスで理想的なコミュニケーションのタイプですね。

ノンアサーティブとアグレッシブの黄金率と言えるバランスの取れた自己表現ということです。

具体的に言うと、

  1. 自分の気持ちや考えをしっかり捉えて正直に伝えてみようとする
  2. 気持ちを伝えたら相手の反応もしっかり受け止めようとする

これがアサーティブです。

アサーティブでは「話す」「聴く」がコミュニケーションのベースなんですが、実はこれって当たり前のことですよね。でもこれが中々できない・・・。

なぜか?

コミュニケーションって自分が「思う通りに進むとは限らない」からです。

アサーションって自分の気持ちをなるべく分かりやすく相手に伝えますが、その相手も自己表現することを前提にしています。

仮に自分の気持ちが相手にしっかり伝わったとしても、思い通りに進むとは限りません。

同意もあれば拒まれることもあるのでしょう。

でもアサーションはそれを前提としたコミュニケーションなのです。

だからお互いの気持ちや考えの「似ているところ違うところ」をしっかりと表現し合うと共に、お互いが関心を持ってお互いを理解しようとしなければなりません。

そこに理屈だけでなく気持ちも通い合うような関係性が生まれていくのです。

これこそがアサーションなのです。

しっかりと理解し合い気持ちが通じれば、考えや行動は違っても「お互いに自分らしくいることができる」そんな関係性を築いていけるわけです。

これがアサーションの考え方です。

ここに近づけるコミュニケーションスキルがアサーティブタイプなのです。

アサーティブな関わりのステップは

  1. 自分の気持ちを確かめる
  2. 気持ちを正直に話してみる
  3. 相手の表現を受けとめる
  4. どう受け止めたのか自分の中で確かめる

このステップで相手と関わることが必要です。

このステップは「相手の存在を認め相手を自分と同じように大切にしようとする」気持ちの表現プロセスで、まさにアサーションの目指すところなのです。

あなたはどのタイプか

アサーションの3タイプを見てきました。

あなたはどのタイプでしょうか?

前項で2つの例を出しましたが、もう一度改めて考えてみて下さい。

ノンアサーティブですか・・・それともアグレッシブタイプでしょうか?

アサーティブな関わりはできていますか?

周りとのコミュニケーションはうまくいってますか?

もしうまくいってないとすれば何が原因でしょうか?

そんな時はアサーションの3タイプを思い出して下さい。

きっと周りとうまくコミュニケーションしていけるきっかけがつかめるはずです。

いつも言っていますが、まず大切なことは「自分を知ること」です。

自分がどのタイプか分かったら、アサーションを身につけることでコミュニケーションに変化を与えてみて下さい。

まずは自分を知ること。

そしてアサーションを理解し周りとのコミュニケーションに変化をつけていくこと。

ここからスタートしてみましょう。

次項ではアサーションを身につけるための方法を考えていきたいと思います。

アサーションを身につける方法

見てきたように私たちはできればアサーティブでありたいわけです。

ここではアサーティブであるためにはどうしたら良いのか、その方法を見ていきたいと思います。

初めにこんなことを言うのは申し訳ないんですが、アサーションは簡単には身につきません。

ゆっくりとじっくりと日常生活の中で実践していって下さい。

主語は私

話をするとき「あなたは」で始めるのではなく「私」を主語にして話をするようにして下さい。

いわゆる「Iメッセージ」ってことです。

「あなた」を主語にするとどうしても相手を責めているようなニュアンスになってしまいがちです。

「私」を主語にすることで相手を傷つけることなく自己主張しやすくなります。

例えば、「あなたは、どうしていつも書類の提出が遅いんだい!?」ではなく⇒「私は、あなたの書類提出が早いと助かるよ」・・・こんな感じです。

特にアグレッシブタイプの方は、意識して主語を「私」にするすることで周りとの関係性に変化が生まれてくると思います。

DESC法

次は「DESC法」と言われるものです。DESC法とは、

  1. Describe:描写する)⇒ 相手の言葉を客観的に描写する
  2. Express:表現する) ⇒自分が感じていることを表現する
  3. Specify :提案する) ⇒希望すること解決策等を提案する
  4. Choose:選択する) ⇒具体的で現実的な選択肢を示す

それぞれの頭文字を取ったものです。

DESC法は相手との合意を必要とするようなときに効果のある4つのステップであり、コミュニケーションをアサーティブにするためのシナリオ作りに役立ちます。

要は相手とアサーティブでありたい場面で、このDESC法の順番に沿ってシナリオを作り実際のコミュニケーションに活かしていくというものです。

まさに「自分も相手(他者)も大切にする自己表現」でコミュニケーションするということですね。

DESC法は必ずこの順番になる必要はなく、状況に応じて柔軟に活用していくことが大切です。

相手の話を良く聴く

アサーションは「自分も相手も大切にする自己表現」でした。

そしてアサーティブであるベースは「話す」「聴く」です。

ということで、相手のことを大切にしながら自己表現するためには、まず相手の話や意見をしっかり聴かなければなりません。

日頃から周りの人を尊重し耳を傾ける意識を持って生活することで、アサーションを理解しアサーティブなコミュニケーションを身につけやすくなります。

肯定的な言葉を使う

できる限り肯定的な言葉を使ってコミュニケーションをするようにしましょう。

「~できない」はなるべく使わないようにする。

でも難しい場面があるのは事実ですよね。

そんな時は「~できない(否定形)+前向きな言葉」を意識しするようにして下さい。

例えばこんな感じです。

「今日中に仕上げることはできませんが、明日の15時位には仕上がると思います。どうでしょうか?」・・・こんな感じです。

会話の最後を否定形で終わらせるのではなく「前向きな言葉」で対策を提案(自己表現)することで、相手も受け入れやすくなるはずです。

ぜひ日常に取り入れるようにして下さい。

態度も意識する

相手に何かを伝えるときは「言葉」が大切です。

でも実は「態度」はもっと大切なんです。

人と人とのコミュニケーションのにおいて「言語が占める割合は7%」「音声と音質が占める割合は38%」「表情としぐさの占める割合は55%」という報告があります(メビアンの法則)。

このようにコミュニケーションは言語よりも非言語コミュニケーションが大きなウエイトを占めているのです(ノンバーバルコミュニケーション)

他者に自己主張するときは言葉も大切ですが、非言語(ノンバーバル)にも意識を配り、態度を含めたコミュニケーションを心がけるようにして下さい。

そうすることでアサーティブなコミュニケーションにまた一歩近づけると思います。

アサーションを本で理解する

アサーションをより深く理解するための本を紹介しておきます。

私がアサーションを学ばせてもらっている「平木典子」先生の本です。

どちらも読みごたえ十分でありながら、アカデミックになり過ぎず大変読みやすい本になっています。

ぜひ手に取ってアサーションを身近なものにしていって下さい。

  • 「アサーション入門――自分も相手も大切にする自己表現法」
    (講談社現代新書)
  • 「改訂版 アサーショントレーニング ―さわやかな〈自己表現〉のために」
    金子書房)


最後に

今回はアサーションを学ぶことでコミュニケーションを円滑にする方法を見てきました。

記事にも書きましたがアサーションは大変奥深いもので、まだまだ私も勉強段階で悪戦苦闘しているといったところです。

「どこまでアサーションを伝えられたのか?」・・・そんな思いもあります。

アサーションについては今回初めて聞かれた方も多かったのではないかと思います。

この記事がきっかけでアサーションを知りもっと勉強したいと思って頂けたら幸いです。

私たちにとってコミュニケーションは欠かせないものです。

人と人との関係性を紡いでいく基本だと思っています。

アサーションを少しでも理解しコミュニケーションに活かしていくことで、豊かな人間関係を築いていって頂けたらと願っています。

最後まで目を通してもらいありがとうございます。
また次回お会いできることを楽しみにしています。

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