こんにちは。
今回は「自己肯定感」について考えていきます。
最近、自己肯定感という言葉を良く見聞きするようになりました。
「モチベーション:動機付け」という極一部で使われていた言葉が広く使われるようになったのと同じような感じがします。
- 自己肯定感とは
- 自己肯定感を高めるには
- 自己効力感とは・自己有用感とは
- 自己効力感と自己有用感との違いと関係
こういったことを軸にして自己肯定感を深掘りしていきます。
今回の記事はこんなことが分かります。
- 自己肯定感とは
- 自己肯定感の高い人低い人
- 自己肯定感を高める方法
- 自己効力感、自己有用感との違いと関係
面白いですよ。
自己肯定感とは
自己肯定感とは何か・・・。
自己肯定感
自分が自分であるという「自分の在り方」を肯定する感覚。自分自身を「大切な存在である」と尊重できる感覚のこと。
自己肯定感を言葉で表すとこういった表現になります。
どうです・・・?
できる限り分かりやすく書いたつもりです・・・分かり難いですかね?。
もう少し自己肯定感の意味を噛み砕くと・・・
「自分が自分であることに納得し、自分は価値ある存在だと肯定的に受け入れることができること」
・・・こんな感じで表現できます。
自分を信じ前進していく活力と言えるかもしれません。
自己肯定感を英語で表記するとこうなります。
自己肯定感 = self-esteem
「self-esteem」は「自尊心」とも訳されています。
自尊心
実用日本語表現辞典
自らの価値を認める自己評価であり、自身を優れた存在・価値ある存在・意義ある存在であると位置づける気持ちのことである。または、自己の品格を貶めるような振る舞いを嫌悪する気持ちのことである。
自尊心の意味を見てわかるように「自己肯定感」と「自尊心」は非常に似ている言葉であり実際同じような意味で使われています。
最近は自己肯定感を扱った書籍が売れているそうで大変注目されている言葉です。
なぜ自己肯定感がこれほど注目されるのか・・・?
諸説あります。
実は内閣府が2014年に発表した「平成26年版 子ども・若者白書」で日本の若者は自己肯定感が低いという調査結果が報告されています。
日本の若者は・・・
「自分に満足している」「自分には長所がある」「自分に誇りを持っている」
といった項目で自分自身を肯定的に捉える割合が諸外国と比べて低くなっています。
これじゃー問題ですよね。
そういったこともあり自己肯定感を高めることについて非常に関心が集まっているわけです。
どうすれば高まるのか・・・?
次に自己肯定感の高める方法を見ていきます。
自己肯定感、高い人低い人の特徴
日本の若者が低いと感じている自己肯定感ですが自己肯定感が高いとどうなのか?・・・低ければどうなるのか?。
まずはそこから見ていきたいと思います。
高い人の特徴
まずは自己肯定感が高いとはどういうことかを見ていきます。
下に自己肯定感の高い人の気持ちの在り方や考え方を列記します。
自己肯定感の高い人
- 物事をポジティブな面から考える
- 物事のプラス面を見ている
- 平常心が保てる
- 集中力が高い
- 失敗しても落ち込み過ぎず切り替えられる
一例ですがこんな特徴があります。
自己肯定感が高いということは自分自身を肯定的に捉えることができるということです。
色んなことを前向きに捉え目的意識も旺盛で目標に向かい力強く前進していくことができます。
失敗したとしても周りに原因を求めたりはしません。
自分をしっかり振り返り足りなかった能力を磨いていこうとする考えを持つことができます。
物事をポジティブに捉えプラス思考であり常に平常心で高い集中力を保つことができます。
失敗しても気持ちを切り替えやり直すことができるのです。
低い人の特徴
次に自己肯定感が低いとはどういうことかを見てみます。
自己肯定感の低い人の特徴です。
自己肯定感の低い人
- 物事をネガティブな面から考える
- 物事のマイナス面ばかりを見ている
- 周囲と比較し不安感や恐怖心が強い
- まず「できない」と考えてしまう
- 失敗へのこだわりやトラウマが強い
これもほんの一例です。
自己肯定感が低いということは自分自身を肯定的に受け止めることができません。
「自分は大丈夫だろうか?」「失敗したらどうしよう」・・・。
こういったネガティブな感情が先行し本来ならできるこもできなくなってしまいます。
また周囲を気にして「どうせ自分なんて・・・」という思考に陥りがちです。
他者と比べることで能力がありながら自分の能力が発揮できなくなるのです。
このように自己肯定感が低いと自分の良さにさえ気づけません。
こういった自己肯定感の低さは幼少期の環境に左右されていると言われています。
親の子供に対する声掛けや育て方が大きく影響しているようです。
12歳位には自己肯定感の基礎が固まるようです。
そして本来誰でも持っている自己肯定感は環境や幼少期の経験によって高くもなり低くもなってしまうのです。
特に子供の頃に認められることがなかったり身の回りにトラブルが続いた場合、自己肯定感が低くなってしまいます。
そんな難しい繊細な面を持っている自己肯定感・・・。
どうしたら高めることができるのでしょうか?
自己肯定感を高める方法
自己肯定感を高めるにはどうしたら良いのか見ていきます。
まずは自己肯定感を高めるため必要なことを列記します。
- 自己肯定感が下がっていることを認識する
- なぜ自己肯定感が下がっているのか考える
- そういう自分を認める
- リフレーミングする
- 自分も相手も尊重する(アサーション)
まず大切なのは自分の自己肯定感が下がっていることを認識することです。
何事もそうですが自分自身を振り返り自分を理解することが重要になってきます。
これを自己認知と言います。
「どうも最近うまくいかない」とか「周囲と噛み合わない」なんて感じたら一回立ち止まって自分を振り返る癖をつけて下さい。
そして自分の自己肯定感が下がっていないかを考えてみましょう。
自己肯定感が下がっていることを自己認知したら次はなぜ自己肯定感が下がっているのか自分なりに考えてみて下さい。
実は自己肯定感が下がっていると自己認知しただけで随分と気持ちが楽になります。
そして冷静になることで今まで見えなかったものも見えてくるのです。
自分を振り返って状況を認識し冷静になる・・・そして考える。
これはワンセットです。
そしてここからが重要なのですが自分を振り返り何か分かったら(何も分からなくても)「そんな自分を認めてやって下さい」・・・必ず。
「自己肯定感が下がっていると感じた自分」「なぜ自己肯定感が下がっているのか考えている自分」「自分を振り返っていること」・・・。
こういう自分を認めましょう。
自分を認めることでさらに気持ちが楽になり余裕ができるのです。
余裕ができたところで次は「リフレーミング」です。
リフレーミングについては私のブログで何回か取り上げてきています。
詳細は過去の記事をあたって欲しいのですが簡単に説明しておきます。
リフレーミング
見方や考え方や捉え方を変えてみるということ。違う方向から物事を見てみること。
例えばこんな感じです。
- 異動になったのは今の部署で自分が役に立たないからだ。
⇒今回の異動で会社は自分にどんな能力を求めているのだろう。 - どうして私はいつも失敗ばかりするんだろうか。
⇒この失敗で自分に足りない能力を知ることができた…また成長できる。
このように違う枠組み(フレーム)で物事を見ることを言います。
リフレーミングは訓練することで少しずつ身についていきます。
そして次第に思考のフレームが改善されポジティブな受け止め方ができるようになっていきます。
日常の色んな出来事や物事を題材にしリフレーミングする訓練を積んでいって下さい。
スモールステップ・・・少しずつでOKです。
もうひとつ自分と他者を認めることが大切です。
それにはお互いが尊重しあうこと。
そのためには「アサーション」が有効です。
アサーションとは「自分も相手も大切にする自己表現」のことです。
お互いに意見を言い合い尊重し認め合う。
これを繰り返し自分を認める感覚が持てれば自己肯定感を上げることにつながっていきます。
自己肯定感の低い人はどうしても自分の意見を言わず、また他者の意見も聴かないというパターンに陥りがちです。
最初から積極的にというのは難しいと思いますので少しずつでOKです。
まずは相手の意見を聴くことから始めてみましょう・・・そして少しずつ意見を言ってみましょう。
何ごともやってみることが大切です。
あなたは自己認知できたのです・・・そのあなたであればもう一歩進めるはずです。
以上のようなことを頭に置きながら自己肯定感を上げていくようにして下さい。
焦らずにゆっくりじっくり・・・リラックスしてステップアップしていきましょう。
自己効力感・自己有用感との違い
自己肯定感に似た言葉で「自己効力感」「自己有用感」があります。
ここではその言葉の意味と自己肯定感との違いと関係性を見ていきます。
自己効力感とは
自己効力感【self-efficacy】
ある目標に到達するための能力が自分にあると信じる感覚。
自己効力感はカナダの心理学者「アルバート・バンデューラ」教授が提唱した社会的認知理論の中核となる理論です。
難しいことはさておき自己肯定感とどう違うのか?
- 自己肯定感 ⇒ 自分自身の価値を肯定的に受け入れる感覚
- 自己効力感 ⇒ 自分は「できる」と信じる感覚
自己肯定感は自分の存在を肯定できることであって自己効力感は自分は何かができると信じられる予期(推測・期待)のことです。
微妙に違っていますね。
そしてこれがバンデューラ教授が言う自己効力感を高める方法です。
- 達成経験 ⇒ 自分で何かを成し遂げ達成すること
- 代理経験 ⇒ 達成した誰かを真似たり話を聞くこと(モデリング)
- 言語的説得 ⇒ 周りの他者から励まされたり褒められたりすること
- 情緒的喚起 ⇒ リラックスして前向きな心理状態のこと
自己有用感とは
自己有用感
他者との関係性の中で、自分の存在価値を感じること。自分は誰かの役に立ち必要とされているという満足感。
自己有用感も言葉の響きは似ていますが「他者」を前提にしている点で自己肯定感や自己効力感とは違います。
自己有用感を高める方法です。
- ボランティア活動に参加する
- 寄付や募金をする
- 頼まれごとを断らずに引き受ける
- 積極的に他者と関わる
- 誉める・励ます・認めることを心がける
こういったことが重要です。
自己肯定感との関係性
なぜ「自己効力感」と「自己有用感」を引っ張り出したかというと、この2つは「自己肯定感」と密接に関わっているからです。
というか・・・自己肯定感を高めるには「自己効力感」と「自己有用感」を高める必要があるんです。
ここまで読まれた方なら分かって頂けると思います。
まずは自己効力感と自己有用感を高めなければならない・・・そうじゃないと自己肯定感は高まらない。
自己効力感と自己有用感を高めると自然と自己肯定感は高まってくる。私はそう考えています。
こういった関係性も考えながら自己肯定感を高める参考にして下さい。
最後に
今回は自己肯定感について考えてきました。
自己肯定感は私たちが生活をしていく上で、また仕事をしていく上で非常に大切な感覚です。
前向きでポジティブな人生を送っていくには欠かせない感覚です。
合わせて自己効力感と自己有用感についても見てきました。この3つは密接に関わって作用し合っています。
それぞれを少しずつ高めポジティブで前向きな人生を送っていきたいという感覚を持つことが仕事にも生活にもより良い影響を与えるのだと思っています。
お互いリラックスしてじっくり高めていきましょう。
最後まで目を通してもらいありがとうございます。
また次回お会いできることを楽しみにしています。
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